コラム~成蹊ラグビー

ラグビーをする理由

2023/10/16(月) 10:43

ラグビーW杯も決勝トーナメントを迎え激闘が繰り広げられている
QuarterFinalの中でフランスvs南ア、NZvsアイルランド 
この2試合はQFではなくSemiFinalもしくはFinalでも良いくらいの顔合わせだ
日本も勝ち残っていればアルゼンチンのような結果となりSemiFinalでNZと戦えたのではないか、本気(マジ)のNZとどのくらいのゲームができるのか見たかったと思うと残念でならない
予選リーグを含め出場選手たちに目を向けると本当はかなり痛いのだろうがそんな素振りは一つも見せずに次のプレーに黙々と向かっていく姿や、こめかみあたりから血を流している選手が見受けられる選手がざらにいるのを見るとびっくりする方も多いのではないだろうか
TV画面上では時々信じられない角度のところからすごい勢いで人が吹っ飛んでいくこともままある
世界レベルのラグビーは尋常ではないほどに肉体の極限を極めた者たちの集団である

そんな見ていて面白いはずのラグビーが日本でなかなか市民権を得られないのはなぜなのだろうか
まず一つは上述したようにW杯でのラグビー選手のプレーを観ていると自分の想像とはかけ離れすぎていてラグビーをやろうという実感がわかないのだと思う
もう一つは女性の支持(人気)を得られていないことだと感じている
最近 ゴルフは第2次ブームを迎えていると言われているが、それは女性がラウンドするようになり、その女性たちとラウンドをしたいと思う男性が懸命に練習をしているからだと言われている
かつて1970年代後半から1980年代にかけて大学ラグビーがブームとなったのは本城氏に代表されるようなイケメン(当時はハンサムと言われていた)選手が沢山いた早大、その対抗馬としてお坊ちゃんの慶應タイガー軍団、ラグビーエリート明大ムキムキ軍団、つまり早慶明がおしゃれな街青山(秩父宮ラグビー場)で死闘を繰り広げたことがその要因であると言われていた
ananやnonnoなど女性誌に有名強豪大学のハンサム選手たちの特集記事が掲載されたことも度々あったり、情報雑誌ポパイやメンズクラブには「ラガーマンはなぜもてる」などの特集号が出たりしてラグビー=女性にもてるという図式が成立したので全国的に高校生を中心にラガーマンが増えたのである
今ではそのような図式が成立せず全国的にラガーマンは減少傾向にある
ラグビー界の発展(=ラグビー人口を増やす)ためには何かしらの図式を作り直さなければならないが、その答えはサッカーと違い、代表チームが強くなれば良いというわけではないと僕は思っている
なぜならば、2015年、2019年とラグビーW杯で躍進した日本代表の姿を見てもラグビー人口は一向に増えていない現実を目の当たりにしているからだ

ラグビー界がかつてのような姿を取り戻すためにはやはり原点に立ち戻ることが必要だと、最近学生と接することが多くなることによってますますその想いが強くなっています

2023.10.16
SRFC Taro.S