コラム~成蹊ラグビー

桜は4月に咲いてほしい

2023/03/16(木) 15:45

桜の開花宣言がされてしまった

東京では靖国神社にある標本木であるソメイヨシノに5、6輪以上の開花が確認されると宣言される
観測史上最速らしく、例年よりも10日前後も早いとのこと
これで行くと満開は24日予想だ
この状態が続くようでは桜の花は入学式や入社式に咲いているのではなくどちらかというと卒業式に近いイメージとなってしまう

その昔新入社員にとって最初に任された責任のある仕事は花見会の場所取りであった
前日に下見をして一番良さそうな場所に「何となく場所取りしてます」的な目印を置いて、翌日朝早くからその場所にブルーシートを広げ、風で飛ばされないように四隅に重いものを置き万全の態勢で援軍を待つ、援軍が来るとお酒やつまみ類の買い出しに行き準備万端整った頃に(僕は銀行員だったので入行時一番偉かった)支店長が登場・・・支店長のどうでも良い話に続き次長の乾杯の音頭でようやくと宴会がはじまる
飲んでいる暇などない、「酒が足りないぞ」と言われれば買い出しに、「つまみがないぞ」といわれれば手が付けられていない紙皿を移動させる
2時間ほど経つと段々とお開きモードに突入し、酔っぱらって何を言っているのかわからない営業課長の音頭でお開きとなるのだが・・・銀行はなぜか締めに応援団よろしくエールを切るのが恒例で応援指導部出身がいれば入社年次に関わらずその人がしっかりとしたエールを切るが、そんな都合の良い人は大抵いないのでそんな時は新人の役目だ
しかも同期に運動部出身とそうではない一般坊がいると、決まって指名されるのは運動部出身者、やったこともないエールを大きな声でやれ!とか言われて已む無く声を張り上げる、皆酔っぱらっているから形とかどうでも良くてただ「フレッフレッ・・」が言いたいだけ
やっと終わると後片付けが始まり「こんなことをやるために銀行員になったんじゃない!」なんて思いながら同期と始めて気持ちが通じた気分になった
時代が変わってもコロナ前まではこんな風景はいたるところで見られていた

でも3月末に咲いてしまうと新人はいないし、たいていの企業は年度末で最後の追い込みの中で花見なんてやっている雰囲気にはならない
なんと時代にマッチしてしまったんだろう
最近の新入社員は仮にそんな会があっても「僕は用があるので参加しません」と受け流すはずだからお互い気まずい思いをしなくて済む
良い時代になりました

とそんなことを書きながらも、やはり「桜は4月だろ!」と思っている自分がいました

2023.3.16
SRFC Taro.S