コラム~成蹊ラグビー

マンデラ氏

2019/05/10(金) 16:25

1994年の今日5月10日 南アフリカ共和国に初の黒人大統領が生まれた
誰もが知っていると思うけど・・・ネルソン・マンデラ氏
ラグビーをやったことがある人なら観たことがある人も多いと思うけど「インビクタス」という映画にはアパルトヘイト時代から第3回ラグビーW杯に至るまでのマンデラ氏の軌跡が描かれている

昔から南アフリカ共和国はラグビー強豪国として知られ、ラグビーW杯が始まるまでは全ての国の代表チーム、もちろんNZオールブラックスにも対戦成績で勝ち越しをしている唯一の国としてマニアの間では史上最強国として認識されていた

非白人だけの代表チームが存在し、1986年にNZがキャバリアーズというチームを結成し南ア遠征を行ったが、そのメンバーの大半は翌年の第1回W杯には選ばれていない・・・僕の大好きだった主将アンディダルトン(HO)も当時の国民的英雄アンドリューヘイデン(LO)も第1回メンバーからは外されてしまったのはこの遠征に参加したからだと言われている
南アの代表チームはアパルトヘイト政策をとっている国であるという理由から第1回と第2回のラグビーW杯には出場できず、1995年第3回ラグビーW杯を自国で開催し「OneTeam OneCountry」の下、見事初出場初優勝を遂げた

今では当たり前のようにW杯の常連国として、また強豪国として「スプリングボックス」の愛称で親しまれている南ア代表にもこのように暗い過去があった

それを劇的に変えることができたのもネルソン・マンデラが大統領に就任し、白人と黒人の融和にそれこそすべてを捧げたからである

2014年にはラグビーだけではなく、全スポーツにおいて南ア国代表チームを編成する際には非白人の比率を60%以上にしないと国として代表チームとして認められなくなってしまうようになっている
これを前回W杯で南アが日本に負けてしまった理由に挙げる地元メディアまで存在しているが・・・

たった1人の偉大なる信念の持ち主の出現によって国自体が大きく変えることができることを証明して見せたネルソン・マンデラ氏は、日本風に言えば「平成時代の最高に傑出した人物」だと言っても過言ではないだろう

2019.5.10
SRFC Taro.S