コラム~成蹊ラグビー

池田先生逝く

2019/04/26(金) 15:48

池田先生の訃報が届いたのは4月21日午前中、ゴルフの最中だった

僕が学生だった頃の夏合宿では、菅平の文部省体育研究所の前庭で朝練後、”やくた(練習ができない部員)”を約50yrdと80yrdに立たせてアイアンショットの練習をされていた・・・何をいまに至ってこれを書かなくてもよいと思われる方もいるかもしれないけど、僕の中ではとても良い情景として心の中に残っているので赦して下さい・・・先生の距離感は正確なので立たされていた者が自分に当たりそうな勢いで飛んでくるたびにその場から逃げようとすると『動くな!動くと距離が判らなくなるじゃないか!』と言いながら何発も練習されていたことを思い出す
学園を退任され九州に戻られたので、岸田さんやぴょこさんなどと一緒に先生のお宅にお邪魔して翌日熊本の玉名ccでゴルフをした際にも3組ほどの中で先生がダントツのスコアで優勝したことを思い出す
3年ほど前に九州在住の若手OBと同じく玉名ccでラウンドした帰りに先生のご自宅に寄って夕飯をご馳走になった時にも、若手のスコアを聞いて『ゴルフもスポーツだから練習しないと上手くならないよ』とおっしゃられていた

先生との思い出は何もゴルフばかりではないが、訃報を聞いたのがゴルフ場だったのでゴルフに関係する思い出がよみがえってしまった
この日自己ベストを更新して81(43,38)でラウンドできたのも先生が何か特別な力で導かせてくれたのかもしれない

昨年の11月、九州出張の機会を利用して先生のお宅にお邪魔したのが最後となってしまった
その時の話題の中で運動部の監督・コーチの体罰問題が出てきて・・・自分は教員になってから生徒を殴ったことはない、手を挙げるのはよくない!!』と話されていた
その思いは太平洋戦争の時に徴兵されてその時の上官にわけもなく何度も何度も殴られた経験から体罰は憎しみしか生まないことを悟り、自分は絶対に人を殴るようなことはしない!という思いから自身の決め事にされたとお話になられていた

僕のようなOBの中では若造が先生の思い出を語るのもおこがましいが、小学生時代から大学生まで学生時代に出会った先生方の中で恩師と思えるのは池田先生しか思い浮かばない
九州に行けば先生に会うことができると思っていたが、亡くなってしまった今その存在の大きさに改めて気づかされる

先生が成蹊ラグビー部に残してくれた足跡がずっと大きな形で保たれるように残された我々がその思いと共に引き継いでいかないといけないと考えている

2019.4.26
SRFC Taro.S