コラム~成蹊ラグビー

行き過ぎてしまうと・・・

2017/12/12(火) 09:01

子供の頃に読んだ「ちびくろサンボ(The Story of Little Black Sambo)」が、黒人差別につながるということで1988年の今日12月12日に出版元である岩波書店が絶版にしたという記事が出ていた

ちびくろサンボの話の内容は、おしゃれをして出かけたサンボが密林で次々と出会った虎に洋服や傘などを奪われてしまい、ついにはあげる物がなくなってしまい命を奪われそうになり木の上に逃げたところ、それぞれを奪った虎が全部自分のものにしようとしてその木の周りをぐるぐる回っているうちに(虎が)バターになってしまったので、サンボはそのバターを家に持ち帰りホットケーキ(パンケーキ)を作り、家族みんなで沢山のホットケーキを食べました、という何でもない話である
実は続編もあって、その続編も猿に誘拐された双子の弟を救うためにサンボが大鷲と協力して猿から2人の弟を救い、サンボ家で食べようと思っていた羊肉を大鷲と分けて食べて、めでたしめでたし・・という内容だ

子供の時に読んだ記憶では、お腹いっぱいに沢山のホットケーキを食べることができたサンボが羨ましく思っただけで、自分もその日に母親にせがんでホットケーキを食べさせてもらったくらいである

この話のどこが黒人差別につながるのかいまでもさっぱりわからないが、1970年代から始まった公民権運動の余波だという説明があった
この余波のおかげで、カルピスのキャラクターデザインやタカラのだっこちゃんまでが黒人差別と言うことで世の中から消えてしまった

誤解しないでほしいのは、僕は人種差別の助長が良しと言っているのではない 曲解がいつの間にかに社会正義となっていくことの恐ろしさを述べているのだ

あの童話を読み、カルピスの広告を見て、タカラのだっこちゃんを腕に巻いていた子供たちの中でこの童話の内容について誰が黒人並びに人種差別と直感しただろう

おそらく皆無だろう

時に世の中で識者と言われる人たちは自論を展開し理解を得るためには極端に見解を曲げてしまうことが多々ある

その内容が正しいのかどうか、また、自身の見解と比べて許容できるのかどうかはすべて本人の資質の問題であるが、現代においてその判断基準となるのは新聞TVなどの報道やネット上の情報となっていることが大半だ

流される人が悪いと言ってしまえばそうなのだが、世の中の流れの中で「行き過ぎてしまっている」ことに対して、AI知能を利用してそれらが正しく判断できるような装置が発明されることを期待したい

2017.12.12
SRFC Taro.S