コラム~成蹊ラグビー

終戦

2025/12/03(水) 12:17

入替戦が宿命だと言っていたチームが2014年以来の不出場
今年は答え合わせすらできない状況を僕以上に学生たちは重く受け止めていると思う
思い出したくもない光景が気を抜くと自分を支配ししばらく虚脱感に襲われてしまう
一時は忘れても自分の中にはかなり長い時間その思いは残り続けていくだろう
長い時間をかけて徐々に薄れていくのを待つしかない
いつの日か同期の中で笑い話として話せる日が来るはずだから
試合終了後に彼らにかける言葉は決めていた
でもそれは僕の想像とは違うものだったので何をどう声をかけて良いのか全く分からずに気づいたら車に乗って自分の家に帰っていた
ケンズから吉祥寺に集まりますと連絡があったのでどんな様子なのか気になったこともあり顔を出すが当然のことだが空元気のような雰囲気にいたたまれなくなりこの会も1次会で帰った
本当は心底泣きたいところを我慢している菊本や有を観ているのが辛かった
僕はいつも口に出してから反省することが多い
この試合に向けても自分たちのやってきたことが正しいことを証明するには勝つしかないと告げてジャージを配った
勝つと信じていたからなのだが逆目に出るとこんな残酷な言葉はない
ジャージ授与式の最後を締める主将の菊本が僕の言葉を引き継いでくれて自分たちがやってきたことは間違っていないと思うけど、でもまだみんなと一緒にラグビーをしたいから、そして入替戦で勝ちたいから必ず勝とう!と発言していた
僕が話さなければならないことをこの男は自然と話すことができる
普段は寡黙だけど芯のある人間的にも魅力的な男である
彼と初めて話したのは2年生の時の富士見ヶ丘の居酒屋「野武士」
酒飲める?と聞くと「飲めなくはないと思います」と一言
「飲めなくはないってなんだよ」と皆がどっと笑う
どうでも良い光景だがこの時の印象がとても強く残っている
こんな彼と3年間であるがラグビーをすることができて幸せだった
3年目の戦いを終えると同時に僕の成蹊での戦いも終わりを迎えた
今まで沢山の仲間と出会えたことは僕の財産であり、かけがえのない仲間との出会いを大切にしていければと思っています
思えば何気なく始めたこのコラム 
何年続けただろうか
「読んでるぞ!」とか「あのコラムは良かったよ!」などお声がけをしてくれた言葉が嬉しくて誰から頼まれたわけでもないのに投稿をし続けてきた
ご愛読いただいたOBOG保護者の方々には今まで読んで下さりありがとうございました

このコラムもこれが最後の投稿です

なので今までは年末に投稿をしていたコラムの代わりにここで年末恒例のご挨拶させていただきます

この1年間、そして長い間本当にありがとうございました
皆様 良い年をお迎えください

2025.12.3@大安
SRFC Taro.S