コラム~成蹊ラグビー

偶然ではない必然

2020/01/10(金) 17:35

皆様 寒中お見舞い申し上げます
旧年中は大変お世話になりました
今年は頑張って毎週1つくらいは寄稿しようと思っておりますのでお付き合いください

年末年始休暇の時に雑誌Number「桜の告白」を読んでゆっくりとした時間を過ごしていた・・・読まれている方も沢山いると思いますが・・・
その中で福岡堅樹選手の対談形式の記事の中に「自身のプレーで一番印象に残ったプレーは何か」と聞かれた際に「スコットランド戦の日本代表CTBラファエレからのショートパントをトップスピードで手に収めそのままインゴールに飛び込んだプレーだ」と答えていた
その理由は長く厳しく辛い合宿中にラファエレと共に何度も何度も繰り返し練習してきたプレーがあの場面で再現できたことで偶然ではなく必然だと思ったからだと話していた
この記事を読んだとき、僕は昔のあるプレーを思い出した
それは、僕が小学生だった頃の日本選手権「早稲田大vs三菱自工京都」
ノーサイド寸前の早大FB佐藤のゴロパントがインゴール上でラッキーーバウンドのように浮き上がりWTB堀口の胸の中にすっぽりと収まりそのまま逆転トライとなり早大が2年連続日本一となったプレーである
当時の新聞では「奇跡のラッキーバウンド」という形で劇的な勝ち方で日本一となった早大ラグビー部を称えていたが、後日、当時SHでこの試合に出場していた宿沢氏(故人)があのプレーは偶然でも奇跡でもない!早稲田はこのプレーの為に1年間つらく厳しい練習を課してきたと言っても過言ではないと語っていたことを思い出した

自分も含めて美談を好みラッキーとか奇跡とかで物事を賛美しようとする傾向があるが、この記事を読む限りやはり偶然なんてことは早々起きることではなく、やはり何事もそれに備えてしっかりと努力を重ね準備を怠らなかった方にまるで偶然で奇跡のようなタイミングで劇的なことが起きるようになっているのだと感じた、つまりこれは福岡選手が言う「偶然ではなく必然」なのだ

新しいシーズン、あまりにも劇的なことが必然となって巻き起こるような感動を与えて欲しいと願っている
そのためにやらなければならないことも当然ながら現役は理解していることを期待している

2020.1.10
SRFC Taro.S