コラム~成蹊ラグビー

業平忌

2018/05/29(火) 14:35

本当は昨日載せたかったのですが、ドタバタとしてしまい載せずじまいとなってしまいましたが・・・昨日の5月28日は『業平忌』でした

業平とは・・言わずと知れた在原業平(ありわらのなりひら)のことです
在原業平は平安初期の貴族・歌人として六歌仙に名を連ね、桓武天皇に繋がる高貴な血筋であり、「伊勢物語」の主人公である昔男ではないかと言われています・・つまりかなりの色男

そんな色男の業平は時の権力者の愛人に手を出したことで帝の怒りを買い、辺境の地「あずま(今の東京)」に左遷されてしまいました

そんな不遇な境遇にいるときに眺めた風景を歌にしたのが下の一句
「名にしおわば いざ言問わん都鳥 わが思う人ありやなしやと」
これは、都から左遷の途中、今の隅田川近くの湿地帯に着いた業平が見つけた今まで見たことがない鳥の名前を船の渡し役に尋ねたところ、その名前が都鳥と言われていることを知り、都で別れた彼女のことを思いあぐねて詠んだ歌です
この中で使われている言問うという言葉からかの地にかかっている橋の名前を言問橋(隅田川を超す国道6号にある橋)と呼ぶようになり、その橋のたもとにある和菓子屋「向島 言問団子」はあまりにも有名になりました

今でも業平にゆかりのある地にその名前が残っているところがあり、有名なのは墨田区の業平橋ですが、その業平橋近くにあった東武鉄道の駅名が「業平橋駅」から「とうきょうスカイツリー駅」に変わってしまったのはあまりにも風情がなさ過ぎて、おそらくあの世で在原業平も嘆いているのではないでしょうか

深緑の季節、隅田川沿いを散歩しながら業平に想いを寄せ言問団子を食べてみたくなりました

2018.5.29
SRFC Taro.S