コラム~成蹊ラグビー

新社会人へ

2018/04/02(月) 09:55

今日は多くの企業で入社式が行われている
先日卒業したラグビー部の学生たちも、これから始まる未知の世界に不安と期待で昂揚感に満たされていることだろう

僕にも当然のことながら新入社員(正確には、銀行員だったので新入行員ではあるが・・)の時があった 
入行式は大阪のフェスティバルホールで行われ、多くの役員の訓話が延々と続くことにまだ学生気分が抜けない自分としては早く終わらないかなぁと退屈に感じていた
しかしその中で一つだけ今でも鮮明に覚えていて、自分もそうなろうと決めた訓話があった
それは、当時の神田副頭取(後に日立造船 副社長)の「内接円と外接円」の話だったが・・・
内容としては、三角形の角を各人の特徴として捉え、その角を削りに削ってしまってその角が収まるような小さな円を描くようになるのではなく、角をどんどん大きくしていき、その大きな角がすっぽりと収まるような大きな円を描けるような人物になって欲しいと言うものであった
自分の中にピンと来るものがあって、それ以来自分の心の中で大切にしている話である

それから、新人時代は本当に良く怒られたし、本音と建前の差によく戸惑った
忘れられないエピソードがある
入行してしばらく経った朝礼で、支店長が「その日の仕事が終わったら、仮に上司が残っていても先に帰って良い」と言う話をされたので、「さすが海外帰りの支店長は言うことが違うな」と思い、これは良い支店長に出会ったなと素直に感じていた
朝礼の話もあったし、これから同期の飲み会もあるから20時過ぎに課の上司の許可をもらって帰ることにして、その支店長に「お先に失礼します」と挨拶に行くと、僕としては「おっご苦労さん」みたいな感じで送り出してくれると思ったら、「お前は支店長がまだ仕事してるのに先に帰るのか!」と突然怒り始め、先に帰って良いと認めた上司と共にその後も散々怒られて、かなり遅くまで残業となってしまい、結局同期会にも参加できなかったことがあった
これ以来、上司の言う言葉を真に受けないように警戒するようになってしまったし、僕が現在も人の話を素直に受け取れなくなってしまったのもこのせいだと思っている

ただ、将来自分がそのような立場になった時に、そうならないように反面教師的な役割を果たしてくれたことはとても良かった

新社会人には、同期や先輩後輩等沢山の人との出会いを大切にし、自分の目標となるような尊敬できる上司に少しでも早く出会うことを願っている

2018.4.2
SRFC Taro.S