コラム~成蹊ラグビー

企業の不正について思うこと

2017/10/20(金) 11:00

大企業の不正発覚が相次いでいる

神戸製鋼所、日産自動車など企業ぐるみによる不正行為は、続伸基調の日経株価の牽引者である海外投資家の動向を鈍らせる懸念があり、順調に回復を続けている日本経済の成長に陰りを生んでしまうのではないかと心配になる

その原因について、個人的には平成15年より全上場企業に義務付けられた四半期決算開示に対する一部の投資家の過剰反応にあると思っている

一般的、かつグローバルな観点のおける資本市場の世界では当たり前なのだろうが、日本的な風土の中で醸成された日本の資本市場においては会社は株主のものではなく、そこで働く社員とその家族、そして取引先のためにあるという観念が依然として一般的であると感じている

今話題になっている内部留保金についても、そもそも内部留保を大量に株主に還元するという考えはなく、いざという時の備えで蓄えているものであるのであり、ましてやその留保金に課税されるなんて論外であると思ってい経営者は多い
※この留保金課税についてはこのコラムの観点とは違うので詳述はしないが、留保金は法人税を払った後のものなのでそこに課税するというのは2重課税になってしまうという問題が生じる

四半期決算の内容で企業の経営状態を株主(=投資家)から色々と意見を言われても、研究開発を重ねて新しい技術力を養いつつ業績を伸ばしていかないといけない成長スピードと資本市場の中で投資を中心にその効率ばかりを求めてくる投資家とのスピード感は必ずしも一致しないのである

日本企業が上場をする理由は、上場企業ともなると信用力が強化され、金融取引が有利になったり、良い人材の確保ができるという考えも根強くあり、資本市場の本来的な役割とは少しかけ離れてたところにある気がする

いずれにせよ、だからと言って企業が不正を起こして良いはずはないので大いに反省をして、少しでも早く信頼を取り戻す努力をして欲しいが、一方で海外進出等を考えていないドメスティックな上場企業は『Going Private』すべきであると個人的には思っている

2017.10.20
SRFC Taro.S