コラム~成蹊ラグビー

京都好き

2017/06/06(火) 12:00

僕が京都を好きになったのは中学生の時に読んでいた「歴史街道」という雑誌の中で源平合戦の特集があり、その中に「平家物語」が紹介されていて、かの有名な冒頭「祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり・・」に惹かれ原文を読んでみようと思って解釈本を片手に原文を読み進めるうちにその場所に行きたくなったからである

栄華を極めた平家一門の舞台であり、木曽義仲の哀れさ、宇治川の合戦など歴史の舞台が京都に沢山あったことにより訪れる回数が増え好きになったのである

大半の人が紅葉を楽しみに秋に押しかけるが、僕が一番好きな季節はまさにお盆の時期 盆地特有のうだるような暑さの中に浮かび上がってくる京都五山の送り火や大原三千院の万灯会 蝋燭の炎に浮かび上がる観音堂の幻想的な姿には感動を覚える

今の時期は三室戸寺の紫陽花、貴船の蛍など観光客が少ないのでお勧めの時期である

「平家物語」には読み手ぞれぞれにその思い浮かべる情景とともに好きな場面があると思うが、僕が一番好きなのは「敦盛」の場面、自分の息子と同じ年くらいの平家の若武者平敦盛(のちの首実検で敦盛と判明)首を討たざるを得なくなった熊谷直実がのちに法然の弟子となり出家し仏門に帰依することになったくだりなどは何度読んでも飽きない場面である

実は皆もこの熊谷直実には年に1度必ずお目にかかっている

北関東のラグビーの聖地 JR熊谷駅のロータリーにある騎馬武者はこの熊谷直実のものである

その名の通り 熊谷村の出身で今も地元熊谷寺で眠っているそうだ

できれば今年はお目にかかりたくないと思ってはいる

2017.6.6
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Taro.S